保険施術

保険施術とは、公的医療保険を使用して受けられる施術です。
医療機関だけでなく、整骨院でも公的医療保険が使えるケースもあります。

【適用される保険の種類】

日本には複数の公的医療保険があり、職業や年齢によってどの保険に加入できるかが異なります。

次のような保険に加入している方は、整骨院でも保険施術が受けられます。

・国民健康保険
・健康保険組合
・協会けんぽ
・船員保険
・共済組合保険
・後期高齢者医療制度

どの保険に入っているのかわからない場合は、保険証をみてみましょう。

【適用されるケガの種類】

整骨院で可能な保険施術は、次のようなケガに適用されます。

・骨折
・脱臼
・捻挫
・脱臼
・挫傷（肉離れ）

このうちの骨折と脱臼に関しては、応急処置のみです。
施術を続けたい場合は、医師の同意を得なければなりません。

【整骨院での保険施術の受け方】

整骨院は医療機関とは異なるため、保険施術を受ける手続きも異なります。
保険施術を受けたい場合は、まず受付で保険証を提出します。
そして、「療養費支給申請書」という書類への署名・捺印が必要です。

ケガの内容や原因、施術内容など記載されているため、よく内容を確認したうえで同意しましょう。
保険が適用されれば、施術費用の一部が公的健康保険から支払われます。
所得や年齢によって差はあるものの、窓口での支払いは1割〜3割程度となります。

当院では自費診療のみなので、健康保険証は使用できません。

【自由施術との違い】

自由施術は、公的医療保険が使用できない施術です。
慢性的な肩こりや頭痛、回復が見込まれないケガなどは、自由施術に分類されます。
公的医療保険では負担できないため、全額自分で払わなければなりません。

しかし、ケガの種類や施術内容に制限がなく、一人ひとりの身体の状態にあわせて施術を行えます。
一方、保険施術には公的医療保険が適用されるものの、国民健康保険法や柔道整復師法などによってケガの種類や施術内容に一定の制限が設けられています。

自賠責保険とは、交通事故の被害者を救済するために設けられた制度です。
対人事故で交通事故の被害者となった方は、相手方の自賠責保険が適用されることがあります。

【自賠責保険の特徴】

自賠責保険には、次のような特徴があります。

●必ず加入しなければならない

自賠責保険は、原付を含むすべての自動車を保有している方に加入義務のある保険です。
自動車損害賠償保障法にもとづいており、無保険での運転は違法となります。

●対人事故のみが対象となる

自賠責保険は、交通事故の被害者の救済を目的とした制度です。
そのため、自動車の運転によって生じた人身事故による損害のみが対象となります。
単独事故や物損事故には適用されない点に注意しておきましょう。

●被害者1人当たりの支払い限度額が定められている

自賠責保険は、被害者1人ごとに支払い限度額が定められています。
障害による損害に対しては、被害者1人につき120万円となっており、施術関係費や文書費、休業損害、慰謝料などが含まれています。
被害者に重大な過失があった場合は、減額されることもあります。

●被害者が直接保険会社に請求できる

自賠責保険は、被害者が直接相手方の損害保険会社に損害を請求することも可能です。
また、仮渡金制度もあり、被害者の金銭的負担が最小限になるように配慮されています。

【自賠責保険が適用となるケース】

自賠責保険は、次のような人身事故でのみ適用されます。

・わきみ運転していた自動車が衝突してきた
・バイクで交差点を直進しているときに、対向から右折してきた車と接触した
・渋滞中に玉突き事故に巻きこまれた
・歩道を渡って道路を横切ろうとしたときに原付とぶつかった

このような交通事故でケガをした場合は、速やかに医療機関を訪れ、検査を受けましょう。
そして、加害者側の保険会社に了承を得たうえで、整骨院でアフターケアを行いましょう。

労災保険とは、仕事中や通勤中に起きたケガを補償する制度です。
正社員だけでなく、パートやアルバイトとして雇用されている方も補償を受けられる可能性があります。

【労災保険の内容】

労災保険は、労働者を守るための保険です。
仕事中もしくは通勤中に起きたケガや病気、障害が対象となります。
「労災」は、「業務災害」と「通勤災害」の2種類の災害に分類されます。

●業務災害

業務災害とは、業務が原因となって生じた災害のことです。
業務とケガとの間に一定の因果関係がなければなりません。
労働時間内や残業時間内に職場で業務に従事している場合には、一般的に業務災害として認められます。

次のようなケースは業務災害として認定されやすいといわれています。

・作業中に不注意で指を骨折してしまった
・会社の休憩中に階段で足を滑らせて転んだ
・仕事で重い荷物を抱えようとしたらぎっくり腰になった

しかし、次のようなケースは業務との関連性がとぼしく、認定されにくいといわれています。

・個人的な恨みによって、勤務時間中にケガを負わされた
・労災保険の給付を目当てにわざとケガをした
・業務中に予期せぬ自然災害に見舞われてケガをした

●通勤災害

通勤災害とは、通勤中に生じた災害のことです。

「通勤」とは次のような場合を指します。

・住居と職場との移動
・職場間の移動
・単身赴任先の住まいと帰省先住居の移動

さらに合理的な経路・方法によって行わなければなりません。

次のようなケースは、通勤災害として認められる可能性があります。

・出勤中に交通事故に巻き込まれた
・仕事帰りにスーパーで買い物をした後、足を滑らせてケガをした

一方、次のようなケースは、通勤とはいえず、認められない可能性があります。

・仕事終わりに居酒屋に立ち寄ってから家に帰る途中、酔って転び、ケガをした
・友人の家に一泊し、そこから出社しているときにケガをした

当院では労災保険も適用できます。
適用範囲は突発的かつ慢性的な持病になっていない症状に限られています。

また、通勤や労働に起因しているものに限られますが、労災保険を適用し施術を受けることが可能です。